クラウド
ファンディング
とは?
始める前に知っておきたいこと徹底解説
初めてでもわかる、
クラウドファンディング
まだこの世にない商品・サービスや、応援したい企業などに出資ができることで話題のクラウドファンディング。
支援する人にもお金や商品によるリターンや節税などの利益があり、支援する側にもされる側にもメリットがあるため注目が集まっています。
ここでは、クラウドファンディングの仕組み、クラウドファンディングの種類、それぞれのメリット・デメリット、具体的にはどのようにしたら支援できるのかについて、基礎から説明します。
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目次
- クラウドファンディングとは
- クラウドファンディングの仕組み
- クラウドファンディングの歴史
- 支援者、起案者のメリット・デメリット
- クラウドファンディングの種類・比較表
- -金銭のリターンを求めないタイプ
- -寄付型
- -購入型
- -金銭のリターンを求めるタイプ
- -融資型
- -ファンド型
- -株式投資型
- -目的別比較表
- 出資(支援)するプロジェクトの選び方
- クラウドファンディングの始め方
クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは資金を調達したい人が、プロジェクトを公開し、不特定多数が支援を行うシステムのことです。
そもそものレベルで理解するために、まず言葉の意味に注目しましょう。クラウドファンディングは「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語です。この組み合わせ通り、資金調達に幅広く多くの人が関われるようになったのがクラウドファンディングです。
日本での「クラウドファンディング」は、インターネットを利用したサービスを媒介して行われることが主流です。「資金調達(ファンディング)」は、クラウドファンディングが出来る前から存在しており、一般的には「資金調達(ファンディング) = 金融機関や関係者などから出資を受ける」でした。
しかし、インターネットを媒介にすることにより不特定多数(=「群衆(クラウド)」)が出資を募ること、そして不特定多数が支援することが可能となり、従来の資金調達より、早く広く調達することが可能になりました。このような調達方法のことをクラウドファンディングと呼んでいます。
資金調達を受けたい人や企業、支援したい人の双方の範囲が大幅に拡大しているという点が、クラウドファンディングの最大の特徴と言えます。
クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングという場合、特に日本においてはインターネット上における各種サービスを媒介としたやり取りを指します。
資金を調達したい人や企業は各種サービスを通じて、プロジェクトの概要や魅力、目標金額等を公開します。公開された情報を見て、何かしらのメリットや社会的意義を感じた支援者が寄付や投資という形で資金を支援します。
クラウドファンディングの歴史

日本においては、2011年にクラウドファンディングのサービスが開始されました。2011年は東日本大震災があった年だったこともあり、当初は寄付の新しい形としてクラウドファンディングが定着した面もあります。
2011年のスタート段階では社会貢献的な意味合いの強かったクラウドファンディングですが、後述するさまざまなクラウドファンディングの種類も登場しています。現在では、金銭的なリターンを期待した上での支援、より投資色が強いものなど、ひとくちにクラウドファンディングとは言えないほどにバリエーションが豊かになっています。
あの有名な像にも活用されていた

世界では、17世紀には既にクラウドファンディングの萌芽が見られており、代表的なものとしては自由の女神の台座があります。こちらは100万人以上の人が1ドル以下の少額を寄付して実現しました。自由の女神の完成は、1886年と140年近く過去のことです。
こういった歴史的経緯もあり、日本よりもクラウドファンディングが浸透している国は少なくありません。実際にアメリカにおいては、日本よりも10年早い2001年にはインターネット上でのクラウドファンディングのプラットフォームが開始されています。
日本のクラウドファンディングの文化はまだまだ発展途上と言っても差し支えないでしょう。
出資者(支援者)、起案者の
メリット・デメリット

出資者(支援者)
メリット
Merit1
税額控除になる種類もある
全てのプロジェクトが対象とは限らないので、出資する前に確認する必要があります。
Merit2
社会貢献につながる
Merit3
さまざまなリターン
Merit4
起案者との距離が近い
デメリット
リターンを得ることができない場合もある

発案者(支援調達者)
メリット
Merit1
資金調達の可能性が広まる
具体的には、中小企業や個人などの事業規模が決して大きくないプロジェクトであっても出資を呼びかけることが以前よりも劇的に容易になりました。
Merit2
事業以外でも支援を呼びかけられる
Merit3
新たなファンの獲得
デメリット
資金調達ができない可能性がある
クラウドファンディングによっては目標金額に到達しなければ資金を全く得られないというケースもあります。必ずしも資金を得られるとは限らないという点は、起案者側はよく留意しておく必要があるでしょう。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングには様々な種類があり、内容や目的も大きく異なります。 ミスマッチを防ぎ、多くの方がより活用できるように代表的なクラウドファンディングを2つのタイプに分けて紹介します。
金銭のリターンを求めないタイプ
寄付型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディング

「All or Nothing型」と「All In型」とは何?

All or Nothing型
目標金額が集まらなければ、支援を得られないという形式です。0か100かいずれかとなっており、目標金額が集まらなければプロジェクトが実行できない場合などはこちらが選択されるケースが多いです。All In型
目標金額に達成しなくても支援を受け取ることが出来る形式です。仮に支援を表明した人が1人であっても、その1人からの支援金を受け取ることができます。金銭のリターンを求めるタイプ
融資型クラウドファンディング

ファンド型クラウドファンディング

株式型クラウドファンディング

クラウドファンディングの特徴
出資者(支援者)
寄付型 | 購入型 | 融資型 | ファンド型 | 株式型 | |
---|---|---|---|---|---|
出資の動機 | 社会貢献 | モノやサービスへの共感、興味 | 資産運用における利回り | 金銭リターンや、モノ・サービスへの共感 | 配当金やIPOなどによるキャピタルゲイン、ベンチャー企業の応援 |
一人当たりの出資額 | 500円程度〜 | 500円程度〜 | 1万円程度〜 | 1万円程度〜 | 同一の会社が発行する株式につき1年間に50万円以下 |
出資期間 | 社会貢献 | 数ヶ月から2年 | 数ヶ月から3年 | 数年から10年 | 長期投資 |
メリット | たくさんの寄付案件を比較して、自分の方針に合った案件を選べる。 | 自分が興味関心を持っているモノやサービスの開発支援を行える。成果物をいち早く手にできる。 | 短期で資金回収ができたり、預金や国債などよりも高金利である。 | 個別のプロジェクトを自分で見極めてから投資できる。配当以外に、モノやサービスを受け取れることもある。 | 少額から非上場企業に投資できる。株主として、配当やキャピタルゲインを得られる。 |
デメリット | 運営会社が実は詐欺的に資金集めをしている可能性がある。 | 成果物が完成しないことや、大幅に完成が遅れることがある。 | 運営会社が実は詐欺的に資金集めをしている可能性がある。 | 事業が頓挫してしまい、元本が返ってこないケースもある。 | ベンチャー企業は倒産する可能性が上場企業と比較すると高く、その際は大きな損失を被る可能性がある。 |
発案者(資金調達者)
寄付型 | 購入型 | 融資型 | ファンド型 | 株式型 | |
---|---|---|---|---|---|
資金調達者と目的 | 個人や福祉団体などがボランティアなどに必要な資金を集める。 | 個人や中小企業が事業資金などの活動資金を集める。 | 個人や中小企業が新事業やリスクの高い事業に向ける資金を集める。 | 個人や中小企業が新事業やリスクの高い事業に向ける資金を集める。 | 主にベンチャー企業が事業を行っていくための資本の調達を行う。 |
資金調達額 | 数万円から数百万円 | 数万円から数百万円 | 数十万円から数億円 | 数百万円から1億円程度 | 数百万円から1億円程度 |
メリット | 不特定多数から調達でき、返済する必要がない。 | 資金は返済する必要がない。また、採算を確保した上で商品開発を行うことができる。 | 自身の信用に応じた金利を設定できる。今まで銀行などから融資を受けられなかった人にも資金調達を行える可能性がある。 | 事業で得た成果に応じた配当を支払うので、事業リスクを分散できる。 | 資本金による調達なので、返還する必要は基本的にない。自己資本比率の上昇も図れる。 |
デメリット | ー | 商品開発に必要な資金が集まらない可能性がある。 | 期日までに資金が集まらない可能性がある。 | 資金が集まらないと事業ができないというリスクがある。 | 顔の見えない多数の株主がいる状態となり、管理コストが発生する。 |
クラウドファンディングの選び方
いろいろ種類やサービスがあって、選ぶのに迷う。選ぶ時の大事なことをまとめました。

目的を明確にしておく
金銭的な見返りを期待しているのか、純粋に寄付や応援の気持ちなのかは事前に明確にしておいた方がクラウドファンディングをより良く活用できます。
起案する側から見たときには、一定程度まで収益を度外視してでも実行したい社会的意義の側面が強いプロジェクトなのか、もしくはビジネスとして事業の拡大を見込んだものプロジェクトなのかで活用すべきクラウドファンディングは異なります。
適したサービスを選択する
クラウドファンディングを最大限に活用するためには、自分のクラウドファンディングはどの種類なのかの大枠を理解し、その種類のサービスを展開している中から各種条件を照らし合わせて自分にマッチしたものを選択するとよいでしょう。
クラウドファンディングの始め方
クラウドファンディングを始めてみたいけれど、まずは何から? ここではクラウドファンディングの始め方を出資者向けに紹介します。今まで紹介した種類どれも共通しています。
STEP1 目的と種類を決める
上記の選び方や種類を参考に、目的にあったクラウドファンディングを選びましょう。

STEP2 サービスを選ぶ
種類に適したサービスの中で、特徴を比較して目的に適したサービスを選びましょう。

STEP3 プロジェクトの支援
サービスが決まったら、支援したいプロジェクトを探してみましょう!

STEP4 プロジェクト終了〜実施の報告
クラウドファンディングには期間があります。
目標達成か未達成かや、集めた資金での実施を起案者は支援者に報告します。

STEP5 リターンの受け取り
モノやサービスなどのリターンがある場合は、起案者から支援者へ送られます。